今月の主題 腎疾患診療の実際
尿細管疾患
Bartter症候群,偽性Bartter症候群—その鑑別診断
深川 雅史
1
,
藤田 敏郎
1
1東京大学医学部・第4内科
pp.2640-2642
発行日 1988年11月10日
Published Date 1988/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222197
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■Bartter症候群とは
Bartter症候群は,1962年に初めて報告された1)症候群で,二次性アルドステロン症の一種であるが,浮腫や高血圧を伴わないという特徴がある.厚生省研究班による診断基準によると,
1)血漿レニン活性増加
2)アルドステロンの血漿濃度の増加
3)低K血症
4)代謝性アルカローシス
5)正常ないし低い血圧
6)アンギオテンシンンII(A II)に対する昇圧反応低下
7)神経性食欲不振症,慢性の下痢,利尿剤の長期投与がない.
8)腎生検で傍糸球体細胞の過形成を証明することが望ましい.
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