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第1土曜特集 MASLD/MASH――研究と診療の最新情報
はじめに
Introduction
中川 勇人
1
Hayato NAKAGAWA
1
1三重大学大学院医学系研究科消化器内科学
pp.307-308
発行日 2024年5月4日
Published Date 2024/5/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28905307
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- Abstract 文献概要
非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalchoholic fatty liver disease:NAFLD)および非アルコール性脂肪肝炎(nonalchoholic steatohepatitis:NASH)については,以前から病名による偏見の可能性や診断基準に関する問題が指摘されていた.そこで米国肝臓病学会(AASLD),欧州肝臓学会(EASL)など世界のliver societyのエキスパートによる議論を重ねた結果,2023年6月,従来のNAFLDはmetabolic dysfunction-associated steatotic liver disease(MASLD)へ,NASHはmetabolic dysfunction-associated steatohepatitis(MASH)へ変更され,診断基準についても変更されることが発表された.詳細は本特集・芥田先生の稿で述べられているが,MASLDの診断には脂肪肝に加えて5つの心血管代謝危険因子のうち,すくなくとも1つを満たすことが必要となり,代謝異常に起因する脂肪肝であることが明確化された.そして2023年9月,日本肝臓学会と日本消化器病学会も同様に疾患名・疾患定義を変更することが発表された.これによってMASLDの疾患概念が整理されたが,同時に,これまでNAFLDとして蓄積されてきたエビデンスがMASLDでも適用可能か検証が必要である.
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