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第1土曜特集 MASLD/MASH――研究と診療の最新情報
疾患概念・診断・フォローアップ
トランスクリプトームに基づくMASLD研究の未来像
Hepatic transcriptome-based precision medicine for MASLD
藤原 直人
1
,
中川 勇人
1
Naoto FUJIWARA
1
,
Hayato NAKAGAWA
1
1三重大学大学院医学系研究科消化器内科学消化器病センター
キーワード:
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)
,
トランスクリプトーム
,
バイオマーカー
,
バイオインフォマティクス
Keyword:
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)
,
トランスクリプトーム
,
バイオマーカー
,
バイオインフォマティクス
pp.345-350
発行日 2024年5月4日
Published Date 2024/5/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28905345
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Metabolic dysfunction-associated steatotic liver disease(MASLD)は,わが国をはじめ全世界で増加傾向にある慢性肝疾患であり,予後不良な肝硬変や肝細胞癌(HCC)まで進行しうる.臨床病理学的には同等にみえても,その病態は多様な病態が複雑に連関することで形成されている.肝組織トランスクリプトーム解析は遺伝情報・環境要因の “総和” として,現在,肝臓で起こっている表現型を捉えるためMASLD研究との親和性が高い.さらにトランスクリプトーム解析は病態解明に加え,バイオマーカーとしての有効性についても検証されており,臨床試験に組み込むことで臨床実現に近いbiomarker-based clinical trialを可能にするかもしれない.また,近年の技術革新によって単細胞レベルや組織標本上で領域ごとの網羅的トランスクリプトーム解析も可能になり,病態解明が進んでいる.本稿では,MASLDにおける最新のトランスクリプトーム解析研究を紹介するとともに,その臨床応用について概説する.
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