特集 創造と表現の病理
第63回日本精神神経学会総会シンポジウム
はじめに
島崎 敏樹
1
1医歯大神経
pp.309
発行日 1967年5月15日
Published Date 1967/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201187
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この主題が日本精神神経学会の総会において組織的にとりあげられたのは今回が初めてのことであつて,あるいは今後しばらくその機会はないかもしれない。
この主題をめぐつてシンポジウムをひらく意義がどこにあるかを一言述べる。自分の好きな作家なり,画家なり,作曲家なりがあつて,かれが心に偏りをもつていたか狂気になつたかした場合,自分がたまたま精神医学にたずさわつていたことから,その人物の作品の精神医学的分析を行なうことはだれにもできる。しかしそれはまだ科学に距離がある。このような個人的関心から進んで,共通の,通分された,だれとでも客観的態度で討論できる次元にまでゆかなければ,科学の場での厳しい認識の眼に堪えない。
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