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第1土曜特集 成人診療医にも知ってもらいたい小児神経疾患診療のポイント
てんかん
-――自然終息性てんかん(熱性けいれんを含む)
Epilepsy
――Self-limited epilepsy(including febrile convulsions)
宮本 雄策
1
Yusaku MIYAMOTO
1
1聖マリアンナ医科大学小児科学講座
キーワード:
自然終息性
,
年齢依存性
,
てんかんの消失
,
スティグマ
Keyword:
自然終息性
,
年齢依存性
,
てんかんの消失
,
スティグマ
pp.745-750
発行日 2024年3月2日
Published Date 2024/3/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28809745
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自然終息性てんかんも熱性けいれんも,発作を起こす疾患である.年齢依存性であり,通常は加齢とともに発作の起こりやすさは軽減し,成人期には発作既往のない人と同様の生活が可能となる.そのため,一般的には成人期への移行医療の適応とならない.自然終息性てんかんの治療は抗発作薬で行われる.これらの薬剤はてんかんを治療するものではなく,発作を抑制するものである.発作を抑制するか否かの判断は,主に発作の頻度と日常生活への影響で行われる.生活指導を行いつつ経過観察することが多いが,心身ともに成長過程にある小児には,さまざまな経験や活動が極めて重要であり,制限は必要最小限でなければならない.てんかんはセルフスティグマを生じやすい病気であることが知られているが,健全な自己肯定感を持った成人に成長し,自己実現を達成してほしい.“なりたい自分になる努力を思い切り行える” 状況を保証するのが,本症診療の目的と考えている.
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