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特集 百寿者研究から探る健康長寿への道
シングルセルデータから推定するスーパーセンチナリアンの生物学的年齢
The biological age of supercentenarians estimated from single cell data
橋本 浩介
1
Kosuke HASHIMOTO
1
1大阪大学蛋白質研究所計算生物学研究室
キーワード:
スーパーセンチナリアン
,
老化時計
,
CD4陽性キラーT細胞
,
トランスクリプトーム
Keyword:
スーパーセンチナリアン
,
老化時計
,
CD4陽性キラーT細胞
,
トランスクリプトーム
pp.279-282
発行日 2024年1月27日
Published Date 2024/1/27
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28804279
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スーパーセンチナリアンは100歳時点においても健康と認知機能を高く維持しており,老化の進行が通常よりも緩やかである可能性が指摘されている.最近,ある研究グループが血液のシングルセルトランスクリプトームデータを基に,生物学的な年齢を予測するモデルを構築した.このモデルをスーパーセンチナリアンの免疫細胞データに適用したところ,生物学的年齢が実際の年齢よりも10~30歳程度若いという結果が得られた.さらに,スーパーセンチナリアンの免疫細胞におけるリボソームの発現レベルは,年齢から推定されるほどには低下しておらず,炎症関連遺伝子の発現も抑制されていることがこの研究で報告されている.これらの特徴は,スーパーセンチナリアンの老化遅延である可能性を示唆する.しかし,モデルは比較的少数のサンプルを使って学習されており,年齢の予測範囲にも幅があるため,結果の解釈には注意が必要である.
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