Japanese
English
第1土曜特集 自然リンパ球の生理と病理
気管支喘息におけるILC2の役割
Roles of ILC2 in bronchial asthma
長野 直子
1,3
,
松本 健治
1
,
森田 英明
1,2
Naoko NAGANO
1,3
,
Kenji MATSUMOTO
1
,
Hideaki MORITA
1,2
1国立成育医療研究センター研究所免疫アレルギー・感染研究部
2国立成育医療研究センターアレルギーセンター
3東京大学医学部呼吸器内科
キーワード:
気管支喘息
,
2型炎症
,
フェノタイプ
,
エンドタイプ
,
ステロイド抵抗性
Keyword:
気管支喘息
,
2型炎症
,
フェノタイプ
,
エンドタイプ
,
ステロイド抵抗性
pp.67-71
発行日 2024年1月6日
Published Date 2024/1/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2880167
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気管支喘息は咳嗽,喘鳴,呼吸困難,喀痰などの症状を認め,可逆性を示す気道狭窄と気道過敏性の亢進などの生理学的特徴を有する疾患である.現在では,気管支喘息の病態の根底には慢性の気道炎症が存在すると考えられている.以前は,その病態の本態は主にマスト細胞やTh2細胞の抗原特異的な活性化を介した獲得免疫であると考えられ,抗原非特異的な自然免疫の働きについては未解明な部分が多かった.抗原非特異的に活性化し,強力な2型サイトカインの産生源となる2型自然リンパ球(ILC2)の存在が明らかになったことによって,自然免疫の応答による2型炎症誘導のメカニズムが解明されてきた.さらに,気管支喘息治療において重要な課題として残る,ステロイド抵抗性の形成にもILC2が関わっていることが明らかとなってきており,ILC2の活性化の上流にある分子を抑制する治療薬も開発されている.今後,ILC2の制御によって気管支喘息治療のさらなる発展が望まれる.
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