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特集 Onco-Cardiology――最新ガイドラインと今後の課題
免疫チェックポイント阻害薬による心筋炎の診断とスクリーニングの現在
Current diagnosis and screening for myocarditis with immune checkpoint inhibitors
庄司 正昭
1
Masaaki SHOJI
1
1国立がん研究センター中央病院循環器内科
キーワード:
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)
,
心筋炎
,
心臓MRI
,
トロポニン
Keyword:
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)
,
心筋炎
,
心臓MRI
,
トロポニン
pp.571-575
発行日 2023年11月25日
Published Date 2023/11/25
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28708571
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免疫チェックポイント阻害薬(ICI)は,その高い有効性から日常的に使用されている.しかし,ICIは時に免疫関連有害事象(irAE)を起こすことがあり,なかでもICIによる心筋炎(ICI-M)は致死的となる.ICI-Mは事前にそのリスクを確実に判断することはできないが,正確な診断は非常に重要である.臨床症状,心電図,心筋マーカーおよび画像所見などでICI-Mを疑い,可能であれば心筋生検にて診断を確定させる必要がある.また心筋生検のタイミングや適応は,慎重な対応が求められる.心臓MRIが診断の補助として活用されるが,解釈と有用性については今後の検討が必要である.早期診断のために,心電図,心筋逸脱酵素(CPK,トロポニン,H-FABP),NT-ProBNP(BNP含む),心エコーデータ〔左心室駆出率(LVEF),GLS〕,好中球/リンパ球比率(NLR),炎症マーカーのCRPなどがスクリーニング検査として検討されているが,確立はしていない.
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