特集 日常診療における内分泌疾患
副腎疾患・その他の内分泌異常とその診断・治療
免疫チェックポイント阻害薬による内分泌異常
越智 可奈子
1
,
大塚 文男
2
1岡山大学学術研究院医歯薬学域医療教育センター
2岡山大学学術研究院医歯薬学域総合内科学
キーワード:
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)
,
免疫関連有害事象(irAE)
,
下垂体機能低下症
,
甲状腺機能異常
,
副腎皮質異能低下症
Keyword:
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)
,
免疫関連有害事象(irAE)
,
下垂体機能低下症
,
甲状腺機能異常
,
副腎皮質異能低下症
pp.409-414
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000000103
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Headline
1 免疫チェックポイント阻害薬を使用中の症例では免疫関連有害事象(irAE)として内分泌異常を合併する可能性を考え,症状や検査結果から合併が疑われる場合は早い段階で専門医に相談のうえ,適切に対処することが重要である.
2 irAEとして最も発症頻度が高いのは甲状腺機能異常であり,治療開始前の甲状腺自己抗体との関連が指摘されている.
3 抗CTLA-4抗体薬を使用中の症例では特に下垂体障害の合併に注意が必要であり,副腎クリーゼが疑われる症例においては,速やかなヒドロコルチゾン投与開始を要する.
4 内分泌関連irAEは適切に対処されれば,多くの場合,抗癌治療の継続が可能である.
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