特集 心筋炎・心膜炎,感染性心内膜炎を診る,治す
心筋炎を診る,治す
急性心筋炎と劇症型心筋炎の診断と治療
美馬 響
1
,
大谷 朋仁
1
,
坂田 泰史
1
1大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学
キーワード:
劇症型心筋炎
,
心筋生検
,
心臓MRI
,
機械的循環補助
,
免疫抑制療法
Keyword:
劇症型心筋炎
,
心筋生検
,
心臓MRI
,
機械的循環補助
,
免疫抑制療法
pp.1315-1322
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000000432
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Headline
1 急性心筋炎のなかで発病初期に血行動態の破綻を急激にきたし,致死的経過をとるものを劇症型心筋炎とよぶ.劇症型心筋炎の定義は確立されていないため,研究解釈の際には注意が必要である.
2 心臓MRIで心筋炎の診断が可能であるが,病理学的評価は不可能であるため免疫抑制薬療法の根拠とするには難しく,重症化のリスクが高い場合や免疫抑制療法が望ましい場合には心筋生検が必須である.
3 心筋炎は時間単位から日単位の経過で急速に心機能の低下が進行し,循環不全となることがあるため,重症化に備え,血行動態が不安定な場合には,強心薬や機械的循環補助の導入をためらってはならない.
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