連載 検査値の読み方
免疫チェックポイント阻害薬を使用している患者の肝障害
近藤 泰輝
1,2
,
福田 遼
1,2
,
永江 真也
1,2
,
遠藤 希之
3
,
赤平 純一
3
1仙台厚生病院消化器センター肝臓内科
2仙台厚生病院肝腫瘍治療センター
3仙台厚生病院臨床検査センター
キーワード:
PD‒1
,
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)
,
CD8
Keyword:
PD‒1
,
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)
,
CD8
pp.1160-1164
発行日 2019年7月20日
Published Date 2019/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000886
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現在,多くの悪性腫瘍に対して,さまざまな免疫チェックポイント阻害薬が使用可能となっている.悪性腫瘍は,自身を攻撃しようとするさまざまな免疫細胞を抑制するメカニズムを有している.免疫チェックポイント阻害薬は,悪性腫瘍を攻撃する免疫細胞を抑制するメカニズムをブロックすることにより,免疫細胞が悪性腫瘍を攻撃できるようにする薬剤である.その機序は,常時は抑制されている,自己の細胞を攻撃するような不要な免疫反応にも作用するため,免疫チェックポイント阻害薬を使用することによりさまざまな自己免疫疾患を発症しうることが知られている.肝臓においては,自己免疫性肝炎(autoimmune hepatitis;AIH)や原発性胆汁性胆管炎(primary biliary cirrhosis;PBC)様の疾患を発症することが知られており,これらの発症を読み解くことは重要である.本稿では,免疫チェックポイント阻害薬を使用した際の肝障害の経過や特徴について説明する.
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