Japanese
English
特集 妊娠高血圧症候群(HDP)の予防・治療・管理
腎疾患患者における妊娠
Pregnancy in patients with renal disease
大塚 智之
1
,
上田 誠二
1
,
鈴木 祐介
1
Tomoyuki OTSUKA
1
,
Seiji UEDA
1
,
Yusuke SUZUKI
1
1順天堂大学医学部腎臓内科学講座
キーワード:
IgA(immunoglobulin A)腎症
,
糖尿病性腎症
,
ループス腎炎
,
非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)
Keyword:
IgA(immunoglobulin A)腎症
,
糖尿病性腎症
,
ループス腎炎
,
非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)
pp.420-424
発行日 2023年11月11日
Published Date 2023/11/11
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28706420
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妊娠により母体内ではさまざまな変化が生じ,体液量の増加,血管抵抗の低下などを介して,腎血漿流量や糸球体濾過量(GFR)の増加など,腎臓に対してダイナミックな変化を引き起こす.腎疾患を有する女性の妊娠は従来,母児ともに予後不良であったが,腎疾患の治療と周産期管理の進歩により予後は改善されている.しかし,妊娠・出産後に腎疾患が悪化し,末期腎不全に移行する患者も存在する.また,女性のライフスタイル変化に伴い妊娠・出産年齢の高齢化が進行し,その影響として不妊症や高血圧症,糖尿病,腎疾患などの内科的合併症が増加している.腎疾患患者の妊娠においては,妊娠中の腎障害の管理や妊娠合併症に対する知識が必要であり,産婦人科医や腎臓内科医のみならず,看護師,助産師などが連携し,妊娠早期からの介入が重要である.本稿では,腎疾患のなかでもIgA(immunoglobulin A)腎症,糖尿病性腎症,ループス腎炎,非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)の特徴や,妊娠・出産が与える影響について概説する.
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