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特集 SLEとAAVの新展開
総論
SLEにおける免疫異常と腎障害
Immune abnormalities and renal damage in SLE
一瀬 邦弘
1
ICHINOSE Kunihiro
1
1島根大学医学部膠原病内科学講座
キーワード:
ループス腎炎
,
腎局在細胞
,
免疫細胞
,
三次リンパ組織
Keyword:
ループス腎炎
,
腎局在細胞
,
免疫細胞
,
三次リンパ組織
pp.911-917
発行日 2023年6月25日
Published Date 2023/6/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000770
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はじめに
全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)は,腎臓や脳を含む複数の臓器障害を引き起こす,全身性自己免疫疾患である1)。そのなかでもループス腎炎(lupus nephritis:LN)はSLEの重大な合併症であり,SLE患者の生命予後にも関与している。数十年にわたる研究にもかかわらず,LNの複雑な病態に関する理解はまだ不十分であり,この病態に対する有効な治療薬やバイオマーカーの開発の妨げになっている。本稿では,LNの発症に関与する細胞および分子メカニズムの理解を深めるために,この分野における最近の進歩の概要をご紹介したい。また,LNにおける腎局在細胞の役割と,この疾患を予防・治療するための免疫細胞を標的としたアプローチに焦点を当てて議論する。
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