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特集 電子顕微鏡が照らす医学研究の最前線
ボリューム電子顕微鏡が切り拓く腎病理の三次元パラダイム
New frontiers in three-dimensional renal pathology pioneered by volume electron microscopy
髙木 孝士
1
,
村上 幸三
2
,
南雲 佑
3
Takashi TAKAKI
1
,
Kozo MURAKAMI
2
,
Tasuku NAGUMO
3
1昭和医科大学電子顕微鏡室
2同医学部放射線医学講座
3同江東豊洲病院臨床病理診断科
キーワード:
ボリューム電子顕微鏡(vEM)
,
連続ブロック表面走査型電子顕微鏡(SBF-SEM)
,
糸球体腎炎
,
IgA腎症
,
ループス腎炎
Keyword:
ボリューム電子顕微鏡(vEM)
,
連続ブロック表面走査型電子顕微鏡(SBF-SEM)
,
糸球体腎炎
,
IgA腎症
,
ループス腎炎
pp.575-579
発行日 2025年11月15日
Published Date 2025/11/15
DOI https://doi.org/10.32118/ayu295070575
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連続ブロック表面走査型電子顕微鏡(SBF-SEM)などのボリューム電子顕微鏡(vEM)技術は,組織の三次元的微細構造を明らかにすることができる.腎病理電顕診断は従来,透過型電子顕微鏡(TEM)による二次元断面像によってきたが,三次元構造解析によって近年,新たな知見がもたらされてきている.今回,糸球体腎炎における新たな物理的細胞間クロストークを可視化することができたので,本稿ではIgA腎症とループス腎炎の糸球体基底膜(GBM)破綻部における糸球体細胞の動態についての解析を紹介し,三次元観察の有用性について展望する.vEM技術による三次元再構築は,細胞間接触を可視化・定量化することで病態の理解を深化させ,糸球体腎炎の病態解明のみならず予後予測や新たな治療法の開発に役立つ可能性がある.

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