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特集 補体revisited――抗補体療法はどこまで進んだか?
非典型溶血性尿毒症症候群
-――腎疾患に対する抗補体薬の過去と現在,そして未来
Atypical hemolytic uremic syndrome
――Past, present and future of anti-complement therapy in renal diseases
水野 正司
1
Masashi MIZUNO
1
1名古屋大学大学院医学系研究科腎不全システム治療学寄附講座
キーワード:
補体
,
抗補体療法
,
非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)
,
腎疾患
Keyword:
補体
,
抗補体療法
,
非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)
,
腎疾患
pp.757-761
発行日 2023年12月9日
Published Date 2023/12/9
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28710757
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補体と腎疾患との関わりの最初の報告は,100年以上前に遡る.日本で抗補体薬,抗C5抗体(エクリズマブ)が,腎疾患のなかで補体依存性の非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)に対する治療薬として臨床使用の適応が認められ,2023年で早10年が経過した.本稿ではaHUSに対するこれまでの抗補体薬,および将来臨床に登場すると考えられる抗補体薬について述べる.また,aHUSをはじめとしたさまざまな腎疾患において,異常な補体活性化が腎障害に関与している可能性が報告されている.そして,現在さまざまな抗補体薬が臨床応用に向けて開発中であり,抗補体薬を用いた抗補体療法が,多くの疾患の治療選択のひとつになりうるのではないかと期待される.
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