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特集 適応障害(適応反応症)の予防と対策
【総論】
適応障害(適応反応症)の概念と診断
Concept and diagnosis of adjustment disorder
平島 奈津子
1
Natsuko HIRASHIMA
1
1国際医療福祉大学三田病院精神科
キーワード:
適応障害(適応反応症)
,
ストレス因
,
うつ病
Keyword:
適応障害(適応反応症)
,
ストレス因
,
うつ病
pp.245-248
発行日 2023年10月28日
Published Date 2023/10/28
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28704245
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適応障害と診断するためには「はっきりと確認できるストレス因に反応して速やかに発症し,ストレス因がなくなったら速やかに症状が消失する」というストレス因と症状発現・消失との時間的因果関係が必要である.すなわち,適応障害(適応反応症)は単なる適応不全や,いわゆる “心因反応” 全般を意味するような疾病ではない.しかし,その診断基準には特異的な症状が記載されていないため,過剰診断を招く恐れがある.また,適応障害(適応反応症)の診断基準には “他の精神疾患の基準を満たしていない” という但し書きがあるため,軽症であるという誤解を招きやすい.これらの診断上の問題点を認識して診断の精度を少しでも上げることが,その治療や対策に有効である.
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