Japanese
English
特集 今再び問う,内因性精神疾患と心因性精神疾患の概念
適応障害—ストレス因と心因
Adjustment Disorder: Stressor and psychogenic factor
平島 奈津子
1
Natsuko Hirashima
1
1国際医療福祉大学三田病院精神科
1Department of Psychiatry, International University of Health and Welfare Mita Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
Adjustment disorder
,
Stress theory
,
Stressor
,
Psychogenic factor
Keyword:
Adjustment disorder
,
Stress theory
,
Stressor
,
Psychogenic factor
pp.817-824
発行日 2019年7月15日
Published Date 2019/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205866
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抄録 適応障害では「ストレス因が始まってから速やかに症状が発現し,ストレス因が終息すれば速やかに症状も軽快する」という,ストレス因(stressor)と症状との時間的因果関係が診断の決め手となる。しかし,心因性の精神障害のすべてにこのような時間的因果関係の明確さが認められるとは限らない。適応障害患者は「ストレス因に反応」はしているものの,そのストレス因は彼らの心理的な過程を惹き起こすような心因にはなっていないため,ストレス因の終息に伴って速やかに症状が消失するとは考えられないだろうか。また,ストレス因があったとしても,ストレス因に対する対処が効を奏すれば,疾病化を免れるばかりか,むしろ,その困難な,あるいは新たな環境に「順応(適応)」することができる可能性がある。
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