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第1土曜特集 性差医学の現在地――最新知識とエビデンス
メンタル疾患における性差
Gender differences in mental disorders
平島 奈津子
1
Natsuko HIRASHIMA
1
1オフィス朔
キーワード:
メンタル疾患
,
性差
,
月経前増悪
,
月経前不快気分症(PMDD)
,
うつ病
Keyword:
メンタル疾患
,
性差
,
月経前増悪
,
月経前不快気分症(PMDD)
,
うつ病
pp.873-877
発行日 2024年9月7日
Published Date 2024/9/7
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290100873
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主なメンタル疾患のなかで,うつ病,社交不安症を除く不安症,適応反応症,心的外傷後ストレス症(PTSD),神経性やせ症,神経性過食症は女性に多い.うつ病は有病率だけでなく,その臨床像などにおいても性差が認められる.女性のライフサイクルにおいて内的なエストロゲン量が大きく変動する周産期や更年期はうつ病の発病リスクが高くなることが想定される.自閉スペクトラム症,注意欠如・多動症(ADHD),限局性学習症,アルコール依存症やギャンブル行動症は男性に多い.妄想症,統合失調症,双極Ⅰ型症,社交不安症,病気不安症における有病率の有意な性差は認められない.しかし,統合失調症は有病率に性差はみられないものの,その臨床的な特徴には明らかな性差がある.双極Ⅱ型症や解離性同一症などでは有病率の性差が調査により異なり,一定していない.月経前不快気分症(PMDD)は,その症状が知られるようになってから正式な診断名として承認されるまでに80年余りかかった.
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