特集 —え、ウソ!実は◯◯だった!?—“コモンディジーズ”の診断ピットフォール
㉔「適応反応症」かと思ったら…!?
飯塚 玄明
1
1多摩ファミリークリニック
pp.301-303
発行日 2024年3月15日
Published Date 2024/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204719
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Case
患者:38歳、女性
主訴:抑うつ
既往歴:24歳時に、詳細は不明だが心療内科への受診歴あり。片頭痛。
内服:なし
現病歴:X-7日から、抑うつと頭痛の増悪を自覚。芸能人が自殺したニュースがきっかけであり、自身も不安から逃れるのは困難であると感じていた。ほぼ毎日、ほとんど通日、抑うつ気分・食思不振(1週間で体重は55→52kg)・中途覚醒・疲労感を自覚した。X-2日には、子どもたちと一緒に死んでしまいたいと思うことも一度あった。この1週間は仕事も行けておらず、家事を行うのも困難だった。「うつ病」の症状としては診断基準1)の4/9項目に留まり、症状持続期間は1週間のみで、はっきり確認できるストレス因に反応し症状が出現していた。妄想・幻覚・躁病エピソードはなかった。既往の片頭痛と同様の頭痛が増悪しており、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)で対応していた。身体所見は脱水のみで、血液検査でも特記事項はなし。希死念慮はあるが、自殺企図はなかった。
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