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第5土曜特集 内視鏡医学のすべて――各領域における診断・治療の進歩
消化器内科
胃・十二指腸非腫瘍性疾患における内視鏡診断の進歩と展望
Advances and prospects of endoscopic diagnosis in gastric and duodenal non-neoplastic diseases
鎌田 智有
1
Tomoaki KAMADA
1
1川崎医科大学健康管理学教室
キーワード:
特発性潰瘍
,
自己免疫性胃炎(AIG)
,
Non-Helicobacter pyloriHelicobacter(NHPH)
,
胃炎の京都分類
,
人工知能(AI)
Keyword:
特発性潰瘍
,
自己免疫性胃炎(AIG)
,
Non-Helicobacter pyloriHelicobacter(NHPH)
,
胃炎の京都分類
,
人工知能(AI)
pp.1079-1083
発行日 2023年9月30日
Published Date 2023/9/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu286141079
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特発性潰瘍は近年増加傾向にあり,Helicobacter pylori(H. pylori)潰瘍と比較して難治性で,再発および出血をきたす頻度が高く,前庭部大彎を中心とした小さな穴様潰瘍と随伴する粘膜下腫瘍様隆起,窪み・溝様の潰瘍瘢痕がその内視鏡的特徴である.近年,自己免疫性胃炎(AIG)の診断基準が確立され,逆萎縮像を特徴とする進行例に加えて,偽ポリープ様の顆粒状隆起,胃小区の腫脹などを呈する初期像の検討が期待されている.Non-Helicobacter pyloriHelicobacter(NHPH)感染症は人獣共通感染症のひとつで,NHPHはH. pyloriとは明らかに形状の異なる大型のらせん菌である.H. pylori感染率の低下および除菌治療の普及とともにNHPHの頻度は高くなることが予測され,注目すべき疾患である.画像強調内視鏡検査(IEE)は胃炎診断や癌の拾い上げに有用であり,これに畳み込みニューラルネットワークを用いた人工知能(AI)を用いることで,高い感度で迅速にこれらを診断することが今後可能である.近未来における内視鏡診断支援システムの実用化や内視鏡検診への貢献が期待される.
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