Japanese
English
第1土曜特集 人生100年時代を見据えて がんと生活習慣病(心疾患/糖尿病/CKD/MAFLD)を再考する──共通リスク因子,予防・治療の最新アプローチ
生活習慣・食習慣とがん
塩分過剰摂取とがん発症の関連
-――最新知見と病態解明
Association between excessive salt intake and cancer development
――New findings and pathophysiology
長澤 肇
1
,
西山 成
2
,
鈴木 祐介
1
Hajime NAGASAWA
1
,
Akira NISHIYAMA
2
,
Yusuke SUZUKI
1
1順天堂大学医学部腎臓内科学講座
2香川大学医学部薬理学
キーワード:
食塩
,
腫瘍
,
Na-MRI
,
Onco-Hypertension
Keyword:
食塩
,
腫瘍
,
Na-MRI
,
Onco-Hypertension
pp.831-835
発行日 2023年9月2日
Published Date 2023/9/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28610831
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
生命の維持のためには体液組成が保たれることが必要であり,適切な水分と食塩を摂取する.つまり,食塩を多く摂取すると水を多量に飲み,体液量は変化するものの,細胞外液中ナトリウム(Na)濃度は一定とする.このように,食塩は体液量や体液組成を保つことにおいて非常に重要であるが,近年,塩分摂取と腫瘍発症との関わりが注目されている.塩分摂取により生じる腫瘍への影響はさまざまなメカニズムが関わっていることが報告されているが,特に慢性炎症の関与が注目されている.また,今後の腫瘍の検査および治療のメルクマールとなりうるNa-MRIの臨床応用が期待されている.さらに塩分過剰摂取により引き起こされる高血圧と腫瘍との関わりについての新しい概念であるOnco-Hypertensionについても考察し,今後の腫瘍治療において腫瘍専門医のみならず,腎臓内科医やコメディカルを含め,新たな治療展開をはかっていくことが重要である.
Copyright © 2023 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.