Japanese
English
第1土曜特集 人生100年時代を見据えて がんと生活習慣病(心疾患/糖尿病/CKD/MAFLD)を再考する──共通リスク因子,予防・治療の最新アプローチ
慢性疾患とがん
Onco-Cardiology
-――がんと心血管疾患が共有する危険因子,機序,直接的な相互作用
Onco-Cardiology
――Shared risks and mechanisms and direct interactions between cancer and cardiovascular disease
門脇 裕
1
,
赤澤 宏
1
,
小室 一成
1
Hiroshi KADOWAKI
1
,
Hiroshi AKAZAWA
1
,
Issei KOMURO
1
1東京大学大学院医学系研究科循環器内科学
キーワード:
がん心臓連関(cancer-heart axis)
,
クローン性造血(CH)
,
共有する危険因子(shared risk factors)
,
共有する機序(shared mechanisms)
Keyword:
がん心臓連関(cancer-heart axis)
,
クローン性造血(CH)
,
共有する危険因子(shared risk factors)
,
共有する機序(shared mechanisms)
pp.783-787
発行日 2023年9月2日
Published Date 2023/9/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28610783
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
がん化学療法における技術革新は,がん治療の成果を飛躍的に向上させたが,がん治療中に合併する心血管有害事象の増加が大きな問題となっている.そして近年,心血管疾患の治療中においてもがんの発症が多いことが疫学的にも示され,がんと心臓の病態学的な連関,いわゆるがん心臓連関 “cancer-heart axis” とよばれる概念が提唱されるようになってきている.がんと心不全は共有する危険因子(shared risk factors)を持ち,共有する機序(shared mechanisms)が両疾患の発症・進展に寄与している.さらにがんと心不全の間には,分泌因子や代謝変化などによる直接的な相互作用が確認されている.がん心臓連関の研究と解明は,両疾患に対する新たな予防・治療戦略の構想を産み出す可能性があり,学問としての腫瘍循環器学(onco-cardiology)を進展させることが期待される.
Copyright © 2023 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.