特集 Onco-Cardiologyの新展開
診る Onco-Cardiology どのように診るのか?
根岸 一明
1
1オーストラリア
1Menzies Institute for Medical Research, University of Tasmania, Royal Hobart Hospital
キーワード:
Troponin
,
一回拍出量
,
危険因子
,
抗腫瘍剤
,
心エコー図
,
Anthracyclines
,
早期診断
,
早期医療介入
,
心毒性
,
遅発性疾患
,
心筋保護剤
Keyword:
Late Onset Disorders
,
Antineoplastic Agents
,
Echocardiography
,
Risk Factors
,
Stroke Volume
,
Troponin
,
Anthracyclines
,
Early Diagnosis
,
Early Medical Intervention
,
Cardiotoxicity
pp.99-105
発行日 2018年2月9日
Published Date 2018/2/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2018122100
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医学の進歩は、ときに新たな患者群を形成する。先天性心疾患の治療成績の向上に伴い、成人先天性心疾患患者が急増したのと同様に、昨今の癌治療の進歩によりcancer survivorsが増加し続けている。同時に、癌治療に伴う種々の心合併症が明らかになり、「癌」という疾患概念が「末期疾患」から「慢性疾患」へとパラダイムシフトしてきている。これを受け、欧米諸国を中心に担癌患者の心血管病を専門に扱う新たな分野(subspecialty)として循環器腫瘍学(cardio-oncology)/腫瘍循環器学(onco-cardiology)programが続々と設置されている。腫瘍・循環器病学の目的は、「癌治療の結果またはその治療の障壁となる心血管病を撲滅することである」とされ、主な仕事は、「リスク層別化、予防、早期診断、そして治療である」とされる。本稿では、このなかでも「バイオマーカーや画像診断を用いた、癌治療による心血管合併症の診断や評価についての知見をまとめた。
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