特集 高齢者における循環器診療
高齢者における全身疾患の一部としての循環器疾患
onco-cardiology
岩佐 健史
1
1国立がん研究センター中央病院総合内科・がん救急科
キーワード:
onco-cardiology
,
抗がん薬の心毒性
,
がん関連血栓症(CAT)
Keyword:
onco-cardiology
,
抗がん薬の心毒性
,
がん関連血栓症(CAT)
pp.923-927
発行日 2020年11月1日
Published Date 2020/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika126_923
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Summary
▪「がん医療」の進展でがん患者の予後が改善するとともに,治療(化学療法,放射線照射など)に伴う循環器合併症管理の重要性が増し,“onco-cardiology”が注目されている.
▪抗がん薬の心毒性としては,アントラサイクリン系薬・HER2阻害薬による心機能低下が知られている.
▪血管新生阻害薬,マルチキナーゼ阻害薬,免疫チェックポイント阻害薬も心血管毒性が知られており,対応が模索されている.
▪循環器医が介入するタイミング・治療中止の判断に迷うことも多いが,血液検査(BNPなど),心エコー検査(拡張能指標・GLSなど)の専門知識を活用することで早期診断し,β遮断薬・RAS系阻害薬を迅速に導入することで,予後改善に寄与できる.
▪がん関連血栓症(CAT)も大きな問題であるが,DOACの活用により状況は一変しつつある.
© Nankodo Co., Ltd., 2020