特集 Onco-Cardiologyの新展開
診る Onco-Cardiology 誰が診るのか?
南 学
1
1京都大学医学部附属病院 臨床研究総合センター早期臨床試験部
キーワード:
抗腫瘍剤
,
腫瘍
,
心臓血管疾患
,
チーム医療
,
包括医療
,
癌サバイバー
Keyword:
Cancer Survivors
,
Antineoplastic Agents
,
Cardiovascular Diseases
,
Comprehensive Health Care
,
Neoplasms
,
Patient Care Team
pp.106-109
発行日 2018年2月9日
Published Date 2018/2/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2018122101
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近年の癌治療の進歩は目覚ましく、癌は、不治の病からつきあう病へ、さらに治癒が期待できる病気になりつつある。なかでも、分子標的薬の登場は癌薬物療法を劇的に変化させ、現在も精力的に開発が進められている。一方、分子標的薬など抗癌剤による循環器系の副作用・合併症は重篤で、癌患者の予後や生活の質(quality of life:QOL)の低下に大きな影響を及ぼす。高齢化を背景に、癌と循環器疾患を同時に有する患者は増加しているが、循環器疾患の既往は抗癌剤による循環器合併症の頻度を増強させる。さらに、癌や癌治療の既往が、循環器疾患の重要なリスクとなる可能性も近年明らかにされており、今や癌と循環器疾患の診療は、長期間にわたって切り離せないものになっている。「Onco-Cardiology」は、このような状況のなか、必然的に生まれた新たな学際領域であり、欧米を中心に近年急速に体制整備が進められている。本稿では、国内外におけるonco-cardiologyの現状とともに、腫瘍循環器内科医の育成や多職種間の連携、地域連携、さらにその基盤となる教育システムの開発など、oncocardiologyに求められる課題と、それらの重要性について理解を深めたい。
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