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特集 がんオルガノイド――創薬・個別化医療の革新的プレクリニカルモデルとして
胆道・膵臓がんオルガノイドを用いた個別化医療の実現に向けて
Toward the realization of personalized medicine using biliary tract and pancreatic cancer organoids
齋藤 義正
1
Yoshimasa SAITO
1
1慶應義塾大学薬学部薬物治療学講座
キーワード:
胆道がん
,
膵臓がん
,
オルガノイド
,
個別化医療
,
腫瘍微小環境
Keyword:
胆道がん
,
膵臓がん
,
オルガノイド
,
個別化医療
,
腫瘍微小環境
pp.649-652
発行日 2023年8月19日
Published Date 2023/8/19
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28607649
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難治性がんである胆道がんおよび膵臓がんに対する現行の薬物治療には限界があり,新たな治療戦略の開発が求められている.特に,悪性腫瘍に対する抗がん剤の効果は個々の患者で異なるため,それぞれの患者に最適な薬剤を選択して治療を行う個別化医療の確立が重要である.患者由来の腫瘍組織を用いて樹立されたオルガノイドは,元の腫瘍の形態や特性を忠実に反映していることから,患者由来のオルガノイドが強力なプレクリニカルモデルとなることが期待されている.一方で,胆道・膵臓がんオルガノイドを用いた個別化医療を実現するためには,①患者由来オルガノイドの樹立成功率を向上させること,②免疫チェックポイント阻害薬などの薬効を評価できるように,T細胞を含む間質細胞との共培養による腫瘍微小環境を再現することなどの課題を解決する必要がある.本稿では胆道・膵臓がんオルガノイドを用いた個別化医療の実現に向けた展望と課題について概説する.
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