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特集 がんオルガノイド――創薬・個別化医療の革新的プレクリニカルモデルとして
神経内分泌腫瘍オルガノイド,樹立とその応用
Application of neuroendocrine neoplasm organoids
川﨑 健太
1
Kenta KAWASAKI
1
1米国メモリアルスローンケタリング記念がんセンター
キーワード:
オルガノイド
,
神経内分泌腫瘍
,
神経内分泌がん
Keyword:
オルガノイド
,
神経内分泌腫瘍
,
神経内分泌がん
pp.653-660
発行日 2023年8月19日
Published Date 2023/8/19
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28607653
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神経内分泌腫瘍は全身に生じる神経内分泌分化を伴う腫瘍の一群である.その発生頻度は臓器によって異なるが,肺の小細胞肺がんは代表的である.本稿では膵・消化管に生じる神経内分泌腫瘍(GEP-NET/GEP-NEC)に着目する.GEP-NET/GEP-NECはまれな疾患であり,その検体採取の困難さから,精巧にヒト腫瘍を再現する動物モデルが乏しく,その治療開発や生物学的動態の検討が進まないことがボトルネックとなっていた.それを克服するために,筆者らは幹細胞培養法であるオルガノイド技術を患者由来検体に応用し,機能性NETを含めたGEP-NET,GEP-NECからなるヒト膵・消化管神経内分泌がんオルガノイドライブラリーを構築した.本ライブラリーの包括的解析を通じて,GEP-NET/GEP-NECの生物学的特性に迫り,本疾患の特徴的プロファイルを明らかにした.本稿では,これらGEP-NET/GEP-NECオルガノイドの動物モデルとしての妥当性,ならびにそこから得られた生物学的動態の知見について他の臓器の内分泌がんとの比較を交え概説する.
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