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特集 がんオルガノイド――創薬・個別化医療の革新的プレクリニカルモデルとして
患者由来オルガノイドを用いた婦人科がんの橋渡し研究
Translational research in gynecologic cancer using patient-derived organoids
丸 喜明
1
,
筆宝 義隆
1
Yoshiaki MARU
1
,
Yoshitaka HIPPO
1
1千葉県がんセンター研究所精密腫瘍モデル研究室
キーワード:
婦人科がん
,
患者由来がんモデル
,
オルガノイド
Keyword:
婦人科がん
,
患者由来がんモデル
,
オルガノイド
pp.661-665
発行日 2023年8月19日
Published Date 2023/8/19
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28607661
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婦人科がんにはさまざまな組織型が存在し,それぞれ悪性度や高頻度の遺伝子異常などが異なる.しかし,そうした多様性とは無関係に,治療法は基本的に外科切除と標準的な化学療法のため,治療抵抗性症例の存在や再発が臨床的に問題となっている.がんの本態解明や新規治療法を開発するうえで患者の病態を忠実に再現した疾患モデルの開発が重要であり,近年,オルガノイドが注目されている.患者由来オルガノイドは従来の平面培養に比べ元の腫瘍細胞の形態や遺伝子異常,多様性などの特徴をかなりの程度保持している前臨床モデルである.本稿では主な婦人科がんである卵巣がん,子宮体がん,子宮頸がんの患者由来オルガノイドを用いた精密医療や創薬研究に資する橋渡し研究を中心に概説する.
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