Japanese
English
特集 がんオルガノイド――創薬・個別化医療の革新的プレクリニカルモデルとして
胃がん,大腸がん
Gastric cancer, colorectal cancer
坂本 直也
1
Naoya SAKAMOTO
1
1国立がん研究センター先端医療開発センター臨床腫瘍病理分野
キーワード:
胃がん
,
大腸がん
,
オルガノイド
,
幹細胞
Keyword:
胃がん
,
大腸がん
,
オルガノイド
,
幹細胞
pp.646-648
発行日 2023年8月19日
Published Date 2023/8/19
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28607646
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
大腸がん・胃がんオルガノイドを用いた研究は,がん研究の新展開の先導的な役割を果たし,遺伝子分子レベルの特徴と生物学的特徴の直接的な相関を明らかにする重要な知見をもたらしてきた.オルガノイドは既存の実験モデルと比較してもさまざまな利点があり,ゲノム編集などの新技術をあわせて用いることでbreakthroughをもたらしてきた.近年,大腸がん,胃がんともにマイクロサテライト不安定性(MSI)を有する症例群が一定数存在しており,治療対象の抽出やbiologyの解明などにオルガノイド研究は大きく寄与することが期待される.Drug-screening,発がん研究などには大きく貢献した一方で,がんの浸潤・転移などのがんの重要な生物像を規定する因子の同定には至っておらず,今後のさらなる展開が期待される.
Copyright © 2023 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.