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第5土曜特集 生体イメージングの最前線――絶え間ない技術革新と生命医科学の新展開
イメージングで免疫系や生体恒常性を解析する
血管・血栓形成のイメージング
In vivo imaging of blood vessels and thrombus formation
坂田 飛鳥
1
Asuka SAKATA
1
1奈良県立医科大学血栓止血医薬生物学共同研究講座
キーワード:
in vivoイメージング
,
血管収縮
,
血管透過性
,
血小板血栓
,
凝固血栓
Keyword:
in vivoイメージング
,
血管収縮
,
血管透過性
,
血小板血栓
,
凝固血栓
pp.438-445
発行日 2023年7月29日
Published Date 2023/7/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28605438
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In vivoイメージングは,生体内で周囲環境と協調しながらリアルタイムに進行する現象の解析に強力な力を発揮する.血管,血栓の分野ではさまざまな病態モデルの開発と機器性能の向上,蛍光プローブの開発により,形態学的な解析から一歩進み,血管や血栓を形作る要素の機能解析が可能となってきた.血管機能を制御する一部の脆い構造体やリアルタイムに変動する分子は従来の固定標本では観察が難しい.また,血栓形成に関わる複数のタンパク質や細胞と周囲環境の連関は,従来の研究手法では解析が難しい.In vivoイメージングはこれらを可視化して研究することを可能とした.一方,観察を行うための蛍光色素結合物質の使用や蛍光タンパク質を発現させるための遺伝子改変,生体反応を惹起するためのレーザー照射などが本来の生体現象に修飾を加えてしまっている可能性は否定できず,注意が必要である.本稿では,血管機能を制御する構造や分子を観察・研究した報告と,血栓形成の観察・研究手法について筆者らの手法を交えつつ報告する.
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