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第5土曜特集 生体イメージングの最前線――絶え間ない技術革新と生命医科学の新展開
イメージングで免疫系や生体恒常性を解析する
生体イメージングを用いた腎疾患の病態解析
Pathophysiological analysis of renal disease using bio-imaging techniques
角谷 裕之
1
Hiroyuki KADOYA
1
1川崎医科大学腎臓・高血圧内科学
キーワード:
糸球体腎炎
,
生体イメージング
,
CD44
,
ヒアルロン酸
,
免疫細胞
Keyword:
糸球体腎炎
,
生体イメージング
,
CD44
,
ヒアルロン酸
,
免疫細胞
pp.446-454
発行日 2023年7月29日
Published Date 2023/7/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28605446
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腎臓病は,腎内に生じた炎症によって引き起こされる腎炎(糸球体腎炎,間質性腎炎)と,糖尿病や高血圧に代表される全身性の疾患による糸球体障害に大別される.腎炎を中心として免疫細胞が糸球体障害の主病態である疾患については,個々の病態モデルにおける糸球体内の炎症細胞の動態,腎局所における生体内応答について直接可視化し,知見を得ることが新規治療法開発の端緒を開くことにつながると考えられる.筆者らは,わが国においていち早く二光子レーザー顕微鏡を駆使し,生体動物における腎内微小循環動態と糸球体係蹄壁の透過性変化をリアルタイムで可視化することに成功している.さらに,生体イメージングを用いて糖尿病性腎臓病(DKD)における単一ネフロンレベルでの過剰濾過を証明し,SGLT2(sodium glucose co-transporter 2)阻害薬による過剰濾過抑制効果を証明した.
本稿では,前述した腎生体イメージング解析データの紹介と,糸球体障害における免疫細胞の役割に注目し,直接的な免疫細胞の可視化および治療介入の可能性について文献的考察を含めて概説する.
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