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第5土曜特集 生体イメージングの最前線――絶え間ない技術革新と生命医科学の新展開
新規解析・診断技術の動向
生体イメージングとシングルセルオミックスの統合解析
Spatiotemporal transcriptome:Integrated analysis of intravital imaging and single cell omics
内田 穣
1
Yutaka UCHIDA
1
1大阪大学大学院医学系研究科/生命機能研究科免疫細胞生物学
キーワード:
in vivoイメージング
,
細胞動態解析
,
時空間トランスクリプトーム解析
Keyword:
in vivoイメージング
,
細胞動態解析
,
時空間トランスクリプトーム解析
pp.467-473
発行日 2023年7月29日
Published Date 2023/7/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28605467
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生体イメージングとシングルセルオミックスを統合的に解析することで,生命現象をより深く理解する必要性が高まっている.時空間トランスクリプトーム解析は,イメージング解析と1細胞トランスクリプトーム解析の融合といえ,細胞が示す時空間的な変化にトランスクリプトーム解析を統合することで,細胞の動きを制御するメカニズムをより深く理解するための技術である.筆者らは,時空間トランスクリプトームの確立を目指して新たな解析理論と実験系の構築を行った.細胞の “動き” と “形” の変化の総和を細胞動態と定義し,UMAP(Uniform Manifold Approximation and Projection)で視覚化する新規解析理論を構築した.細胞動態解析と1細胞トランスクリプトーム解析の統合解析にはUMAPの類似性を比較する手法を確立した.さらに,確立した手法を好中球の時空間トランスクリプトーム解析に適用し,好中球の細胞動態に関わる新たな分子メカニズムを同定した.細胞の回収方法をはじめ課題はあるが,時空間トランスクリプトーム解析は生体イメージングに新たな可能性を与える手法といえる.
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