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特集 古代ゲノム学と医学の交差点
古代人ゲノムからの表現型復元
Phenotype reconstruction from ancient human genomes
木村 亮介
1
Ryosuke KIMURA
1
1琉球大学大学院医学研究科人体解剖学講座
キーワード:
古代ゲノム
,
表現型復元
,
適応
Keyword:
古代ゲノム
,
表現型復元
,
適応
pp.274-277
発行日 2023年7月22日
Published Date 2023/7/22
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28604274
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DNAマイクロアレイや次世代シーケンシング(NGS)といったDNA解析技術は,ゲノムワイド関連解析(GWAS)を可能とすることで遺伝子多型と形質との関連を明らかにし,一方で古人骨のゲノムを解読することを可能にした.さらに,これらの情報を組み合わせることで,古人骨個体の表現型を復元することをも可能にしている.また,ネアンデルタール人やデニソワ人といった絶滅した古代人類は,現生人類と交雑したことにより,古代人類のゲノム配列は現生人類に残っている.そのことによって,古代人類由来のアリルの機能を解析し,古代人類の表現型を推定することも可能である.現生あるいは古代人類の形質が持つ適応的意義を解明するためにも,古代ゲノム解析による表現型復元は重要な役割を果たす.
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