特集 病棟閉鎖と入院制限
「窓々に灯は点れり」—病棟閉鎖から復元まで
大島 民郎
1
1財団法人住友病院人事課
pp.32-35
発行日 1975年2月1日
Published Date 1975/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205543
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
「坂を降りながら,時々,うしろをふり返って,夜空に高く聳えている病院の建物を見ると……窓という窓にはおおかた明りがついているけれども,その明りの強弱が妙にふぞろいで,なかには,今にも消え入りそうな細細とした光の一点を残しているのもあり……」
これは岸田国士の名作『暖流』の一節であり,映画では佐分利信扮するところの病院主事日疋祐三がガッシリとした肩幅で坂を下りながらふり返るというシーンであるが,このように夜退出のときに病院を見上げるというのは,私たち病院運営に携わる者にとってのひとつの習性といってよいであろうか.
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.