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古代文化民族における助産
小林 茂雄
pp.69-71
発行日 1955年8月1日
Published Date 1955/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200908
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蠻族に於けるお産は,一概に軽いとばかり言われない.種族によつては,ほんとうに軽くて,犬のお産と変りの無い者もあるが,また,重い者もあつて,助産婦の居るところさえ多くあることは,重ねて言うまでもない.しかるに古代の文化民族であつて,多少医術の開けてあつた国に,却つて助産婦のいない所が多くあつたのは,どういうわけか.
之れに就いては,先ずお産に軽重のあることから,説明せねばならない.お産は自然に行われる生殖機能で,元来は危険のないものであるけれども,種々の事情によつて,重くなることもある.従つてお産の軽重は,種族的にいうよりも,個人的という方が,適当なのである.しかし概括的に云うならば,これには三つの原因のあることを知らなければならない.即ち
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