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特集 古代ゲノム学と医学の交差点
古代ゲノム学と進化医学
Paleogenomics and evolutionary medicine
太田 博樹
1
Hiroki OOTA
1
1東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻
キーワード:
古代ゲノム
,
進化医学
,
疾患リスク変異
,
病原体ゲノム
Keyword:
古代ゲノム
,
進化医学
,
疾患リスク変異
,
病原体ゲノム
pp.249-253
発行日 2023年7月22日
Published Date 2023/7/22
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28604249
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ハイスループット・シークエンシング(high-throughput sequencing)の普及に伴い,古い生物の遺物に残るDNAからゲノム情報を抽出する古代ゲノム学(Paleogenomics)が過去10年余りで大きな発展を遂げた.現生人類(ヒト:ホモ・サピエンス)と絶滅人類(ネアンデルタール人やデニソワ人)との交雑が明らかになったのは,その顕著な成果のひとつである.人類が歩んできた集団史の謎を紐解くだけでなく,ヒトの古い骨や歯などから得られるゲノム配列には,疾患リスク変異や病原体の情報も含まれる.古代ゲノム学は “ヒトはなぜ病気にかかるのか” という問いに対し,最も究極要因に近い情報を提供する.本稿では,進化医学からヒトの疾患を理解するアプローチに古代ゲノム解析が加わった最近のトレンドについて紹介する.
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