Japanese
English
特集 古代ゲノム学と医学の交差点
感染症学と古代ゲノム学の接点
-――古人骨研究の視点
Interdisciplinary approaches of infectious diseases and ancient genomics:Views from paleopathology
長岡 朋人
1
Tomohito NAGAOKA
1
1青森公立大学経営経済学部
キーワード:
古病理学
,
古人骨
,
感染症
,
古代ゲノム
Keyword:
古病理学
,
古人骨
,
感染症
,
古代ゲノム
pp.255-258
発行日 2023年7月22日
Published Date 2023/7/22
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28604255
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
古病理学は,遺跡から発掘された生物考古学的資料の病気の復元を目的とする研究分野であり,過去に生きた人体を対象にして,現代の医学的水準から骨病変の診断や考察を行う.古病理学において,古人骨は人類と感染症の共存の歴史を明らかにする唯一の直接的資料である.研究手法として,骨病変の特異的な形態的特徴や出現部位を調べることで,肉眼的に感染症を鑑定する.次に,病原菌のDNAの抽出を試みることで,一層精度が高い結果を得る.近年の分子生物学的な手法を取り入れた分子古病理学の進展は,肉眼的に検出ができない感染症を診断するだけではなく,感染症の起源や進化に新しい知見を与える.
Copyright © 2023 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.