出血との闘い・局所止血法の歴史・1【新連載】
古代
安藤 博
1
1東京慈恵会医科大学第3分院外科
pp.930-931
発行日 1985年7月20日
Published Date 1985/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209062
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はじめに
近代の外科の発達は,無菌法,麻酔法の発展によるところが大であり,さらに近年の外科は,抗生物質の開発,各種診断法の向上,手術手技および術後管理の工夫により一段と進歩するようになつた.今日では,人体の隅々までに安全に外科的侵襲を加え,病因を除去し,また再建することが可能となりつつある.外科的侵襲を加えることは,また出血との闘いでもある,古来より人類は,外傷による出血に対する工夫があり,それが進歩発展して現在の種々止血法となつた.止血法なくして,今日の外科手術はあり得ない.この止血法の進歩・発展の為に試行錯誤しつつ貢献した先人の苦闘を想い,止血法の歴史を文献的に考察しながら筆を進める.
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