Japanese
English
TOPICS 免疫学
遠隔炎症ゲートウェイ反射の発見
Discovery of the remote inflammation gateway reflection
石井 明日香
1
,
長谷部 理絵
1
,
村上 正晃
1
Asuka ISHII
1
,
Rie HASEBE
1
,
Masaaki MURAKAMI
1
1北海道大学遺伝子病制御研究所・大学院医学院分子神経免疫学教室
pp.685-688
発行日 2023年5月13日
Published Date 2023/5/13
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28507685
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自己免疫疾患を含む炎症性疾患では,炎症病変が遠隔部位に左右対称に生じることがあり,関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)では当該遠隔炎症が診断基準のひとつである.その発症には,これまで神経との関連が示唆されてきたが,その詳細な分子機構については明らかとなっていなかった.当研究室では2012年に “重力ゲートウェイ反射” を発見し,これまでに6つの環境的・人為的刺激を起点とする特定の神経回路の活性化が,特定部位の血管の状態を変容させて,血中の免疫細胞を集積し,炎症性病態が形成されることを各種ゲートウェイ反射として報告してきた.今回,2つの関節リウマチモデルマウスを用いた実験から,遠隔部位に左右対称性に炎症病変が生じる分子機構として “遠隔炎症ゲートウェイ反射” を発見した.本稿ではゲートウェイ反射および遠隔炎症ゲートウェイ反射の発見に至った経緯とそれらの分子機構について解説する.
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