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第1土曜特集 基盤病態としての慢性炎症
IL-6アンプおよびゲートウェイ反射による関節リウマチ発症メカニズム
The development of rheumatoid arthritis via the IL-6 amplifier and the gateway reflex
田中 勇希
1,2
,
長谷部 理絵
1,3
,
村上 正晃
1,2,3
Yuki TANAKA
1,2
,
Rie HASEBE
1,3
,
Masaaki MURAKAMI
1,2,3
1北海道大学遺伝子病制御研究所分子神経免疫学教室
2量子科学技術研究開発機構量子生命科学研究所量子免疫学チーム
3自然科学研究機構生理学研究所分子神経免疫研究部門
キーワード:
関節リウマチ(RA)
,
軟骨細胞
,
神経
,
IL-6アンプ
,
NF-κB
Keyword:
関節リウマチ(RA)
,
軟骨細胞
,
神経
,
IL-6アンプ
,
NF-κB
pp.92-99
発行日 2022年7月2日
Published Date 2022/7/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2820192
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関節リウマチ(RA)は関節滑膜増殖および軟骨破壊を伴う慢性炎症性疾患であり,わが国での有病率は0.5~1%と報告されている.関節滑膜には自己反応性を含むと思われる活性化CD4+T細胞をはじめとした免疫細胞の浸潤が認められるだけでなく,滑膜線維芽細胞(FLS)を含め組織の非免疫細胞からサイトカイン,ケモカイン,増殖因子(GF)などが産生され炎症を誘導し,骨の破壊まで生じる.また,当該疾患ではその症状が両側対称性に現れることも診断基準とされており,神経系が関与していることも示唆されているが,その詳細なメカニズムはいまだ明らかとなっていない.本稿では,これまで筆者らが世界に先がけて報告してきた炎症誘導機構である “IL-6アンプ” および固有神経の活性化によりIL-6アンプが特異血管部で活性化し,血中免疫細胞の組織侵入口を形成するメカニズムである “ゲートウェイ反射” を基盤としたRA発症メカニズムについて議論したい.
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