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第5土曜特集 難治性免疫疾患――病態解明と新規治療戦略
免疫疾患の病態へのアプローチ
ゲートウェイ反射による自己免疫疾患の制御とニューロモデュレーション医療の可能性
Regulation of autoimmune disease by the Gateway Reflex, a potential therapeutic target for neuromodulation
長谷部 理絵
1
,
村上 正晃
1
Rie HASEBE
1
,
Masaaki MURAKAMI
1
1北海道大学遺伝子病制御研究所
キーワード:
ゲートウェイ反射
,
IL-6アンプ
,
神経-免疫連関
,
炎症反射
,
ニューロモデュレーション医療
Keyword:
ゲートウェイ反射
,
IL-6アンプ
,
神経-免疫連関
,
炎症反射
,
ニューロモデュレーション医療
pp.673-681
発行日 2021年5月29日
Published Date 2021/5/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27709673
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炎症性疾患では,免疫系に加え神経系もその病態形成や進行に直接的,間接的に関与する.このような神経-免疫連関では,ストレス曝露にて視床下部-下垂体-副腎系を介した内分泌反応により,副腎皮質から糖質コルチコイドが分泌され,抗炎症性作用を示す “神経内分泌-免疫系” にて研究が進んできた.しかし近年,特異的な神経回路の活性化が特異的な組織において免疫反応,炎症反応を局所的に制御する “神経シグナル” 分野の研究も進んできた.本分野では,米国のTracey博士らが,迷走神経刺激による免疫抑制系である “炎症反射” を発見し,筆者らが,さまざまな環境刺激を介する特異的な神経回路の活性化が,特異的な血管部位の透過性を変化させて自己反応性T細胞の組織侵入口を形成する “ゲートウェイ反射” を発見した.本稿では,これら炎症反射とゲートウェイ反射を解説し,さらに特異的な神経回路の人為的な活性化,不活化による病気の治療を可能とするニューロモデュレーション医療についても紹介する.
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