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第5土曜特集 mRNAワクチンやゲノム編集で注目が集まる遺伝子治療
遺伝子導入技術
遺伝子治療用製品としてのAAVベクター製造
GMP Manufacturing for AAV Therapeutics
和田 美加子
1
,
岡田 尚巳
1
Mikako WADA
1
,
Takashi OKADA
1
1東京大学医科学研究所遺伝子・細胞治療センター分子遺伝医学分野
キーワード:
アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター
,
超遠心
,
アフィニティクロマトグラフィ
,
カプシド改変・修飾
,
大規模製造
Keyword:
アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター
,
超遠心
,
アフィニティクロマトグラフィ
,
カプシド改変・修飾
,
大規模製造
pp.317-320
発行日 2023年4月29日
Published Date 2023/4/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28505317
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アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを用いた遺伝子治療用製品の開発が進んでおり,遺伝子治療市場も急激に拡大している.一方,一部の臨床試験で全身大量投与後の死亡例が報告された.こうした有害事象を防ぐために,AAVベクターの大規模製造では,高い治療効果を維持しながらホスト細胞由来タンパク質(HCPs)や不純物の混入を抑え,かつ治療遺伝子全長をパッケージングした完全体粒子の精製技術が重要である.また,AAVカプシド改変や修飾の技術応用は,治療標的への特異性をあげ,肝機能障害や免疫反応を抑えることが期待できる.最近,GMP(good manufacturing practice)製造のQbD(quality by design)に向けさまざまな評価方法が開発されており,それぞれの原理を見極め多角的な評価を行うことで,より安全な遺伝子治療用製品の開発につながる.こうした課題が解決されていけばAAVベクターを用いた遺伝子治療用製品はより強力なツールとなりうる.
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