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特集 全身性強皮症――病態解明と診断・治療UPDATE
全身性強皮症の消化管病変
-――病態と治療戦略
Gastrointestinal involvement in systemic sclerosis
――Pathogenesis and therapeutic strategy
樋口 智昭
1,2
,
川口 鎮司
1
Tomoaki HIGUCHI
1,2
,
Yasushi KAWAGUCHI
1
1東京女子医科大学医学部内科学講座膠原病リウマチ内科学分野
2同リウマチ性疾患先進的集学医療寄附研究部門
キーワード:
全身性強皮症(SSc)
,
逆流性食道炎
,
胃前庭部毛細血管拡張症(GAVE)
,
下部消化管病変
,
腸内細菌叢
Keyword:
全身性強皮症(SSc)
,
逆流性食道炎
,
胃前庭部毛細血管拡張症(GAVE)
,
下部消化管病変
,
腸内細菌叢
pp.265-269
発行日 2023年4月22日
Published Date 2023/4/22
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28504265
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消化管病変は,全身性強皮症(SSc)患者で効率に合併する臓器病変である.その多くは逆流性食道炎であるが,なかには重症下部消化管病変など,予後や著しいQOL低下と直結するものもある.また根本的な治療が存在せず,対症療法や集学的アプローチを要する.逆流性食道炎に対しては生活指導を行い,プロトンポンプ阻害薬(PPI)などの制酸薬や消化管運動機能改善薬を投与する.鉄剤補充で改善しない鉄欠乏性貧血を有する患者は胃前庭部毛細血管拡張症(GAVE)を疑い,上部消化管内視鏡検査を行う.下部消化管病変で特に問題となるのが,消化管運動障害によって生じる偽性腸閉塞や腸管囊腫様気腫症(PCI)と腸管内容物の停滞によって生じる小腸内細菌異常増殖症(SIBO)である.SIBOに対しては抗菌薬を順次変更しながら投与することが有効である.偽性腸閉塞を繰り返すなど経口栄養摂取が困難な症例に対しては在宅中心静脈栄養を行う.
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