Japanese
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第5土曜特集 難治性免疫疾患――病態解明と新規治療戦略
疾患
全身性強皮症
Systemic sclerosis
浅野 善英
1
Yoshihide ASANO
1
1東京大学大学院医学系研究科・医学部皮膚科学
キーワード:
全身性強皮症(SSc)
,
臓器横断的基本病態
,
臓器別病態修飾因子
,
遺伝子発現様式に基づく病型分類
,
Precision medicine
Keyword:
全身性強皮症(SSc)
,
臓器横断的基本病態
,
臓器別病態修飾因子
,
遺伝子発現様式に基づく病型分類
,
Precision medicine
pp.724-729
発行日 2021年5月29日
Published Date 2021/5/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27709724
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全身性強皮症(SSc)は皮膚および内臓諸臓器の血管障害と線維化を特徴とする全身性の自己免疫疾患である.本症は多彩な臓器病変を伴うが,その背景には臓器横断的基本病態があり,各臓器において特異的病態修飾因子が作用することにより,臓器固有の線維化病態が誘導される.したがって,本症を総合的にマネージメントするためには,臓器横断的基本病態と臓器別病態修飾因子に基づいた一元的な病態理解が必要となる.本症はほかの膠原病に比べてステロイドや免疫抑制薬の効果が低く,膠原病領域の最後の難病と認識されてきたが,近年,びまん皮膚硬化型は遺伝子発現様式に基づき3群に層別化でき,群間で各種薬剤に対する反応性が異なる可能性が次々と報告されている.効率的な層別化のために調べるべき遺伝子群についても研究が進められており,今後本症に対するprecision medicineの導入に向けてさらなる知見の集積が期待されている.
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