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特集 全身性強皮症――病態解明と診断・治療UPDATE
エピジェネティクスから紐解く全身性強皮症の病態
Pathogenesis of systemic sclerosis unraveled by epigenetics
浅野 善英
1
Yoshihide ASANO
1
1東北大学大学院医学系研究科神経・感覚器病態学講座皮膚科学分野
キーワード:
線維芽細胞
,
SScモデルマウス
,
ATAC(assay for transposase-accessible chromatin)-seq
,
樹状細胞
Keyword:
線維芽細胞
,
SScモデルマウス
,
ATAC(assay for transposase-accessible chromatin)-seq
,
樹状細胞
pp.246-250
発行日 2023年4月22日
Published Date 2023/4/22
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28504246
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全身性強皮症(SSc)は,皮膚および内臓諸臓器の血管障害と線維化を特徴とする全身性の自己免疫疾患である.SScは遺伝因子と環境因子の相互作用により発症し,線維芽細胞が恒常的な活性化状態を維持することが主要な病態と考えられているが,発症のトリガーとしての外的環境因子に対する応答,および生体内微小環境に対する病的恒常性維持機構として,各種細胞の形質変化にエピジェネティックな機序の関与が示唆されている.エピジェネティクスの視点から同定された2つの疾患関連転写因子(FLI1とKLF5)に着目することでSScモデルマウスが作製された事実は,SScの病態におけるエピジェネティクスの重要性を示している.一方,ATAC(assay for transposase-accessible chromatin)-seqを用いたゲノムワイドなクロマチン接近可能性の解析により,SScの皮膚線維化において真皮樹状細胞が中心的な役割を果たしている可能性が示唆され,SScの統合的病態理解における皮膚免疫の重要性が新たに注目されている.
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