疾患と検査値の推移
全身性強皮症
浅野 善英
1
1東京大学医学部皮膚科
pp.287-292
発行日 2011年4月1日
Published Date 2011/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103110
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はじめに
全身性強皮症(systemic sclerosis,SSc)は,微小血管障害と皮膚および内臓諸臓器の線維化を特徴とする原因不明の自己免疫疾患である.その臨床症状は極めて多彩であり,また個々の症例においてそれぞれの臓器病変の重症度が異なるため,本症は一見すると非常にheterogeneityに富んだ疾患のように思える.しかしながら,皮膚硬化の範囲に基づく病型分類および疾患特異的自己抗体の種類により,本症は比較的画一的な症状と経過をとるいくつかのsubtypeに分類することができる.本稿では最初にSScの疫学・臨床症状および病型分類と自己抗体について解説し,次にSScの診療において役立つ臨床検査値とその変動,およびその解釈方法について述べる.
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