特集 強皮症およびその関連疾患
臨床例
抗Ku抗体陽性全身性強皮症
高橋 岳浩
1
,
浅野 善英
,
佐藤 伸一
1東京大学 医学部皮膚科学教室
キーワード:
Prednisolone
,
強皮症-全身性
,
血液学的検査
,
自己抗体
,
経口投与
,
Ku Autoantigen
,
胸部CT
Keyword:
Ku Autoantigen
,
Administration, Oral
,
Autoantibodies
,
Hematologic Tests
,
Prednisolone
,
Scleroderma, Systemic
pp.965-968
発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2014038311
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<症例のポイント>抗Ku抗体は全身性強皮症、多発性筋炎/皮膚筋炎、全身性エリテマトーデス、Sjoegren症候群における陽性が報告されているが、もっとも多いパターンは全身性強皮症と多発性筋炎のオーバーラップ症候群である。抗セントロメア抗体、抗トポイソメラーゼI抗体と同時に陽性になることはまれとされる。自験例では抗Ku抗体のほかに抗U1RNP抗体、抗トポイソメラーゼI抗体も陽性であった。自験例では筋炎症状はほとんどみられなかった一方、器質化肺炎の成分と非特異性間質性肺炎(nonspecific interstitial pneumonia、以下、NSIP)型のびまん性の成分の混在による特徴的な間質性肺病変がみられた。副腎皮質ステロイド内服に対して器質化肺炎の成分は良好な反応を認めたもののNSIP型の成分は反応に乏しく、各特異抗体に特徴的な病態の混在によるものと考えた。
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