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特集 瘢痕を科学する
Topics2
創傷記憶から全身性強皮症の病態を考える
Exploring systemic sclerosis pathogenesis in the context of wound memory
浅野 善英
1
Yoshihide Asano
1
1東北大学大学院医学系研究科神経・感覚器病態学講座皮膚科学分野
1Department of Dermatology, Tohoku University Graduate School of Medicine
キーワード:
全身性強皮症
,
創傷治癒
,
転写因子FLI1
,
血管新生
,
活性化・終息障害
Keyword:
全身性強皮症
,
創傷治癒
,
転写因子FLI1
,
血管新生
,
活性化・終息障害
pp.653-659
発行日 2025年8月1日
Published Date 2025/8/1
DOI https://doi.org/10.24733/pd.0000004217
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●全身性強皮症の臓器線維化は「創傷治癒機転の恒常的活性化」により生じると考えられてきた.
●転写因子FLI1の発現低下は,遺伝要因と環境要因の双方の影響を反映した全身性強皮症の疾病因子であり,さまざまな細胞に全身性強皮症類似の形質を誘導できる.
●FLI1の発現異常に基づいて血管新生の過程を詳細に解析すると,「活性化・終息障害」が全身性強皮症の血管障害の誘導・維持に深く関わっていることが示唆された.
●ブレオマイシン誘発強皮症モデルマウスは人工的に創傷治癒機転の「活性化・終息障害」を誘導している点で,全身性強皮症の病態理論に基づいた理想的な疾患モデルである.
(「ポイント」より)

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