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第1土曜特集 全ゲノム解析に基づく難病のゲノム医学
各論
血液疾患の全ゲノム解析
Whole-genome sequencing for hematological disorders
髙杉 奈緒
1
,
加藤 元博
1
Nao TAKASUGI
1
,
Motohiro KATO
1
1東京大学大学院医学系研究科小児科学
キーワード:
全ゲノムシークエンス(WGS)
,
構造異常
,
造血器腫瘍
,
骨髄不全症
Keyword:
全ゲノムシークエンス(WGS)
,
構造異常
,
造血器腫瘍
,
骨髄不全症
pp.91-95
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2850191
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血液疾患では,構造異常をはじめとするゲノム異常が診断補助,予後予測,治療法選択のいずれにおいても重要であり,ゲノム解析の臨床的有用性が示されてきた.全ゲノムシークエンス(WGS)は,従来の検査法や全エクソームシークエンス(WES)では検出が難しい構造異常や非コード領域の検出に優れ,造血器腫瘍,非悪性血液疾患のいずれにおいても病態の基盤となるゲノム異常の検出に有用と期待される.さらに他の解析法と統合的な解析を行うことで,各疾患におけるゲノム異常の全体像の解明や,診断補助や予後予測以外の面でも有用性が期待される.解析から結果返却までの時間の短縮や体制の整備が課題であるが,今後は臨床現場においてさらなる普及や実用化が期待される.
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