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第5土曜特集 生活習慣病の克服に向けたゲノム医療――ゲノム医科学の進展と精密医療の実現
総論
生活習慣病を取り巻くわが国と世界のゲノム解析の状況
Status of genome analysis in Japan and the world surrounding lifestyle-related diseases
鎌谷 洋一郎
1
Yoichiro KAMATANI
1
1東京大学大学院新領域創成科学研究科複雑形質ゲノム解析分野
キーワード:
ゲノムワイド関連解析(GWAS)
,
全ゲノムシークエンス(WGS)
,
複雑性疾患
,
見つからない遺伝率(missing heritability)
Keyword:
ゲノムワイド関連解析(GWAS)
,
全ゲノムシークエンス(WGS)
,
複雑性疾患
,
見つからない遺伝率(missing heritability)
pp.353-358
発行日 2021年7月31日
Published Date 2021/7/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27805353
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ほとんどの生活習慣病はメンデル遺伝病ではないが,家族集積性として現れる遺伝性があり,複雑性疾患や多因子疾患などとよぶ.その原因は非常に多数の遺伝因子の集積によるものであることが,数万人以上の大規模な集団ゲノムデータを用いたSNPアレイのゲノムワイド関連解析(GWAS)によって明らかになった.すでにGWASはそれぞれの生活習慣病について数十~数百の遺伝的関連座位を発見している.一方,SNPアレイのGWASではまだ見つからない遺伝率(missing heritability)が残る.次世代シークエンサー(NGS)により集団レベルでのレアバリアントの評価が可能となり,新たな解析の時代がはじまった.バイオバンク・ジャパン(BBJ)による生活習慣病ゲノム解析の日本からの報告を交えつつ,ゲノム解析のおおまかな流れを紹介する.
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